市原中央ロータリークラブ週報　2024.12.24

こんにちは。
　私は先ほどの話で弁護士やってまして、講演会を時々やりますけど、今から4時間やりますから、聞いてくださいね。時々、私の講演会に平賀さんが、お一人様、2万5000円払っていただいて、聞きに来ていただいてます。それは冗談で、30分でやりますからね、ちゃんと時間内にね。
　きょうは遺言書の問題。実は先週もうちのクラブで、おい、おまえ、話すなって言われたんですけど、先週はゴルフ場の再生の問題ね。神奈川県の清川カントリークラブの会社更生やったときの話。それから、千葉の総成カントリーってありますよね。あれの民事再生をやったときの裏話。あと、笹子のトンネル事件の訴訟をやったときの裏話をちょっと、うちのクラブで話させてますけど。きょうは皆さんにとってだんだん身近になってきた遺言のお話ということで話をさせていただきたいと思います。
　遺言っていうと、こんな方は遺言お作りくださいっていう話から始めますね。配偶者、子どもが両方いない方。これはよく言われますね。要するにきょうだいのほうに、またはそのきょうだいの子どもに行っちゃうから、遺言を作れば自由に。私が相談を受けたのは、日本野鳥の会に全部寄付させてくれという話もありまして、そんな遺言を作ったこともあります。
　そのときに言っとくんですけど、よくそういう方から相談受けてね。先生、養子はどうかい？　養子やめときな。大体、年取って養子取るとろくなことない。これも一つ。それから、若い奥さんも駄目よと。例の紀州のドンファンの人、多分殺されてんだろうけど、無罪になった。大体ああいう面白いことやるとろくなことないから、遺言書書いて遺産は誰かにあげなさいというような話を一般的にはします。
　あと、配偶者はいるんですが、残念ながらお子さんがいない方ね。なんで遺言書作る？　私が死んじゃうと、うちの奥さんと誰が相続人になる？　私のきょうだいがなる。そうすると、きょうだいから意地悪されちゃうと、うちの奥さんが困る。きょうだいは、誰かに相続であげちゃったときも、私も少し相続人だからちょうだいよって、遺留分っていうのあるんですけど。それがきょうだいはないから、俺が死んだら、子どもがいないから俺の財産は愛する妻に全部あげると。愛人、駄目ですよ。妻に全部あげるというように遺言していただければ、きょうだいにはいかないということで。ここまではよく、皆さん、話が出てきますよね。
　ところが、問題は奥さんと子どももいる。奥さんと子どももいるんだけど、どうも長男がめつい。うちの仕事の跡取りにさせてんだけど、長男がめついっていうときも遺言書書いてください。なんで？　皆さん、社長さん、例えば1億円預金がある。奥さん、幾らもらえる？　今、半分、5000万もらえる。長男と長女がいたら、残りの5000万を半分、2500万ずつもらえる。でも、皆さんが、社長さんが遺言書書いてくれないとどうなる？　長男がはんこ押さないと、奥さん、預金を1円も引き出せない。もっと正確に言うと、一金融機関150万まで、後でやりますけど、引き出せるんですけど。奥さんが亭主の葬儀を華々しくやろうと思ってもお金がない。長男に言っても、いや、俺が全部預金もらうんだから下ろさせないっていう話になると、預金が下ろせなくなっちゃうんですね。
　昔は、平成28年です。昔は1億円の預金があると、遺言書がなくても奥さんは法定相続分の2分の1、私の分だけちょうだいよっつって払い戻しができたんですよ。最高裁、判例が変わっちゃって、全員のはんこがないと下ろせなくなっちゃった。だから、もしもちょっとうちの子ども信用できねえなっていう話があったら、ちゃんと遺言書を書いて、奥さんに、半分でいいっつうんなら2分の1、預貯金は相続させるって書いといてくださると、奥さんはその遺言書を持って銀行に行って、1億円の亭主の預金の半分、5000万下ろさせてって単独でできるんですね。ですから、必ずしも子どもがいない方、奥さんがいない方が遺言書を作る必要があるっていうだけじゃないということも覚えといていただきたいと思います。
　あと、皆さん、いろんなトラブルがあるんですよ。例えば、結婚20年超えると、奥さんに居住用不動産だったら贈与できますね。じゃあ、愛する奥さん、長年連れ添ってくれた奥さんに居住用の不動産、自宅の2000万円分だけ贈与しよう。持ち分で贈与した。ところが、奥さんに渡していた所、子どもがいないと、奥さんが死んじゃうとどうなる？　奥さんが死んじゃうと、奥さんのきょうだいが出てくる。残された亭主と死んだ奥さんのきょうだいが出てきて、もめちゃった例もあります。
　そしたら、奥さんに20年過ぎたから2000万分の居住用、自宅の贈与をしたら、子どもがいなかったら必ず奥さんに遺言書を書いてもらう。亭主も書いてくださいよ。お互いに俺が死んだらおまえに全部やる、おまえが死んだら俺に全部くれっていうふうに遺言書を書いといてください。そういうことで、遺言書っていうのは意外といろんなところで使わなければいけないっていう問題があります。
　あと、子ども同士仲が悪い、話がまとまんない。あいつら、しょうがねえなっていうときも遺言書を書いてまとめといていただきたいと思います。要するに、遺産分割協議が円満にできそうもない。お互いに弁護士を立てて争うんじゃ嫌だということで、じゃあ、おまえはこれ、おまえはこれっていうふうに遺言書で指定をしている。
　あと、遺言書を書いておいていただきたいっていうふうにアドバイスする例としては、特定の子どもに遺産を多くあげたい。例えば、長男には会社を継がして裕福になってるけど、長女は独身であんまり財産ない。そういうときもちゃんと遺言書書いといてあげないと、大体、親は子どもたちが、俺が死んだら仲良くやってくれると思ってる。間違い。そういうときは長女に、独身だから老後の資金も少し多めにあげとこうっていうふうにしておくことが必要なんですね。
　長女に多くあげるっていうのもいいんだけど、他の子どもの遺留分を侵害、子どもが2人とかいる場合は遺留分の侵害をしないようにね。よく、例えば長女がかわいいから全部あげたいって、この間もおばあちゃんに言われてね。いや、おばあちゃん、長男もいるでしょ、あんまり来ないけど。その長男から訴訟だとかなんか起きると、長女かわいそうじゃない。だから、長男にも遺留分の分だけあげといてっていう形で説得して、遺言書を書きましたけど。なるべくトラブルを起こさないような遺言書の書き方っていうのも皆さん心得て、考えておく必要があるんだなっていうことで検討していただきたいと思います。
あと、皆さん、会社を持っておられる。俺の会社は俺が継いだから、作ったから、全部100パーセント俺が持ってる。そういうときに事業承継をしたい。事業承継をするときはちょっと専門家、弁護士、税理士の先生にちょっと相談してくださいね。皆さんもご承知と思いますけど、事業承継税制っていうのがあって、無税で、税金、相続税を払わないで、うちの会社の株を全部長男に。この頃、赤の他人の専務さんに渡すこともできるんですけどね。そういうこともできます。ただ、それはいろいろ問題がありますので、これはちょっと弁護士、税理士の先生に相談をして事業承継税制はやっていただきたいと思います。後でまたちょっと時間あればお話ししたいと思います。
　それで次に、遺言書の話ですので、次に私がよく依頼者に言うのは、悪いんだけど、手前みそだけど、遺言書は弁護士に作らせてください。よく、遺言書は公証役場行けば作ってもらえるっていわれますけど、残念ながら公証人の先生だと完璧な遺言書できません。なぜか。公証人の先生っていうのは裁判官で刑事畑、刑事の裁判官を長くやっておられる方。また、法務局の登記やなんかやってるお役人。そういう方が公証人なるんですよ。あと、検察官。検察官も大体、刑事事件しかやってませんからね。民事の争いをほとんど知らない。だから、え、あんた、そういう状況になんの？　じゃあ、これ、書いといたほうがいいよっていうアドバイスは、残念ながらなかなか公証人の先生だと完璧にやっていただけないということで。そこは恐縮なんですけど、手前みそなんだけど、いろいろ相続で苦労した弁護士さんに頼むと、じゃあ、あなたの場合はこういうふうに書いといたほうがいいね、こうしようよっていうようなアドバイスをしてくれます。
　例えば、ある、私がやった事件で、公証人の先生に頼めばいいやってことで、弁護士を介入させずに作った遺言書があります。同居してる長男に自分の家、実家を継がせるという遺言を作りました。ところが、長男が先に死んじゃった。かわいそうに。実は遺言っていうのは、あげると言った人が先に死んじゃうと無効になっちゃいます。そうすると、実は嫁さんと子どもがいて孫がいて、そのおじいちゃんは嫁さんもよくやってくれてるから、嫁さんとその子どもにその家を継がしたかったんだけど、他のきょうだいが入ってきて、3分の1ずつ、3人いるからっていって大げんかになって。結局、自宅売らなきゃいけなくなっちゃったかと思います。
　われわれが作ると、おじいちゃんが来て、こういうわけで、よくできた長男で嫁もよくできてるから、あいつにあげたいんだよ。孫もかわいいから継がしたいっていうような話があると、じゃあ、長男にこの実家、家は相続させましょうね。でも、おじいちゃん、世の中何が起こるか知らないから。その長男が死んだらどうする？　大概、そういう話すると、おじいちゃんは、そのときは孫にあげたい。われわれは遺言書を2段に書くんですよ。この実家、自分の住んでる家と土地は長男に相続させる。長男が遺言をしてるおじいちゃんより先に死んだら、孫の誰々にあげるというような、2段階に書きます。大体、3段階書くことはあんまりないけど、危ないから2段階ぐらいは書いてますね。予備的な遺言っていいます。
　そういうような話をわれわれはやるんだけど、いつか見た公証人の先生は、長男にやるとだけ書いて、長男が先に死ぬことは予測してない。それで長男が死んじゃって相談に来て、何とかおじいちゃんは孫にやりたいんだけどつって、いや、それは無理なんですよと。ごきょうだい、3人でしょと。死んだご長男の。そうすると、3分の2は他のきょうだいに行っちゃうという話になるんですね。
　あと、この頃、厄介者にはなるんだけど、お墓の処理。もっと正確に言うと、仏壇、仏具、系譜。墓ね。これ、祭祀財産といいます。祭祀、お祭り用の財産。これは遺産とは全然別な取り扱いをします。だから、自宅、土地、建物、預貯金、全部長男にやる。遺留分の問題があるからあんまり良くないんだけど、他にきょうだいいると。それは書くとしても、忘れないでほしいのは祭祀財産も長男にやるというかね。中には遺産の大部分は長女にやるけど、祭祀財産、お墓だけは長男が継げ。その代わり、少しお金付けてやるからっていう遺言を作ることもあります。お墓の問題は別よ。
　中には、もうあいつらあんまり財産ないんで、子どもが3人いるんで仲良くねえから、俺の財産、自宅、土地、建物も一緒に住んでねえから全部売っ払っちまって、預貯金も全部換金して引き出して、いろんな葬式費用だとか税金だとか払った残りを遺言執行者が3等分して金で分けてくれ。換価分割っていうんですけど。そういうことを定めることもあります。いろんなその人の状況、家族状態によって、じゃあ、おじいちゃん、おばあちゃんの場合はこういう形でどう？という形で、いわゆるアドバイスをさせていただいて遺言書を作るということで。なるべく、でも、できるだけ専門家に作らしてください。
　ここで質問なんですけど、この中で銀行の方、います？　大丈夫です？　銀行の方、いらっしゃる？　ちょっと悪いこと言いますけど、すみませんね。できれば、銀行とか信託銀行に遺言書は頼まないほうが本当はいいんですね。この頃、安くなってきましたけど、私が3年ぐらい前に、ある信託銀行に遺言書を作っていただいた方の書き換えはやりました。夫婦でね。そのときに、じゃあ、前の遺言書、どんなの？っつってもらったら、豪勢なファイルに入ってましたけどね。遺言書の作成費用の領収書入ってたんですよ。おじいちゃん、おばあちゃん、1人120万。
　この頃、安く作るっていう銀行も多くなってきたんですけど、先ほどの話で手前みそですが、弁護士が遺言書を作ると、大体、弁護士の費用、20万、30万、40万ぐらい。財産調査して相続人調査なんかしてもだよ。ところが、銀行さん、悪いんですけど、何パーセントでお取りになるんで、かなり高いもんね。だから、それで、うーん、ちょっとどうかなっつって、銀行関係の方いるんで、あんまに言いにくいんですけど。
　あと、銀行の方で相続人からトラブルになると銀行の方は、いや、われわれ弁護士じゃないんで、トラブルには介入できないんですけどっつって手を引いちゃう。申し訳ない。それで、ちょっと、銀行頼むときは全部お任せください、われわれがちゃんとやるのにって言ってくれたのにっつって長男が来て怒ってたこともありますけど。ちょっとそれはやっぱり専門家を入れてないってことと、遺言執行するのがプロじゃないということで、ちょっと問題があるところも出てきます。あんまり悪口言うとあれなんで、これでおしまいにしますね。
　あと、先ほど言った事業承継。皆さん、多分そろそろ身近な問題になってんじゃないかなと思うんでね。例えば、事例出しましょう。長男、長女の2人の子どもがいる。長男に今やってる株式会社、この会社の事業承継させたい。どうしたらいいかっていう話がある。そうすると、皆さん、大体、会社やってる方は分かるんですけど、長男にやらせんだったら会社の全株式の3分の2以上は絶対長男にやってくれ。
　なんで？　3分の2、66パーセント、特別決議ができる。定款の変更もできる。だから、大体3分の2以上持ってれば、何とか長男が自分でこの会社を運営してくる。社長さんが100パーセント、例えば、この会社1万株の株式を発行してるとする。全株式ね。発行株式総数っていうんですけど。それを遺言書なくお亡くなりになっちゃうとどうなる？　ちょっと奥さんも面倒くさいんで、長男、長女2人だけいるって話でいますけど。死亡した、お亡くなりになった社長さんの1万株の株式は長男、長女、平等ですからね、遺言書がないと。5000株ずつ相続することになりますか、なりません。
　なんで？　1万株の社長さんが持ってる株式は長男、長女が共有、正確に言うと、準共有っていうんですけどね。共有になっちゃいます。共有でなんで悪いの？　問題は、会社法があって、特に株式会社ね。長男は長女の同意がないと株主として株主総会も開けないという問題に会社が動かなくなっちゃうんですよ。新しい取締役の選任もできない。
　なぜかというと、これもさっきの預貯金と同じなんですが、最高裁の平成27年の判決っていうのがあって。おやじの持っていた1万株の全株式、長男、長女がいると共有だけど、長男も5000株分の法定相続分、長女も5000株分の法定相続分じゃなくて、1万株を2人で相続してる。共有関係っていうのは、皆さんが、例えば軽井沢の別荘を2000万ずつ友達と出して買ったと同じで、平等の共有持ち分というと、決議ができないと交渉できないんですよ。
　だから、1万株の株があったって長男と長女が仲良くこうしましょうねって言わないと、つまり、長男にとっては長女の同意がないと株主権行使できない。というのは、株主総会も開けない。新しい取締役も選任できないっていう話になっちゃう。だから、そこで遺言書を書いとけば、しょうがない、長男、あいつにやらせんだから、株式は全部長男に。預貯金の大部分、会社の株式に見合う分は現金で長女にって遺言書書いとくと、長男はおやじが死ぬと同時に1万株の株式を、長女の同意なく行使できます。会社を動かせる。これでトラブルになっちゃうってこともあるんですよ。だから、会社を経営してる方は先ほどの事後承継でやる場合もそうですけど、後で俺の株式を、俺が死んだらすぐに跡取りが行使できるかどうかっていうことも考えていただかないと、ちょっと困っちゃう。
　全部、いろんな会社法の権利行使なんてあって、難しい話がいっぱいあるんですね。例えば、会社法は、長男と長女が1万株の株式を準共有してる場合に、会社はある株主の、例えば、長男の権利行使を認めるっていう条文もあるんですよ。でも、これは最高裁に判例があって、きょうだいで相続して持ってるときは行使できないよ。だから、会社が長男の株主権の行使を認めるっていう一方的なやり方もできないんですね。だから、先ほど言ったように、長女がはんこ押さないと、同意しないと何もできなくなっちゃう。われわれはそういうときには、裁判所に仮取締役とか、いろんなことやるんですけどね。ちょっとそれは置いときましょう。
　同じようなことが、先ほどちょっと言った話。遺言書を作っておかないと、奥さんは葬儀費用、生活費も下ろせなくなりますからね。先ほどの話をもうちょっと具体的に言いましょう。社長さんがお亡くなりになりました。社長さんの個人の預金が1億円あった。奥さんと長男長女2人の子どもがいます。先ほど言いましたね。奥さんは法律的には1億円の半分、法定相続分、2分の1だから、2分の1ちょうだいよっていう権利はあるんだけど、先ほど言ったように、遺言書がないと、社長さんが残した1億円の預金は奥さんと長男と長女の3人のはんこがないと下ろせない。
　よく、大体、相続で銀行行くと、じゃあ、これ、相続人全員の実印と印鑑証明付けて、奥さんが相続人代表で来てください、下ろせますからっていうと、あれ？　はんこ押してくれないと下ろせないじゃん。先ほど言ったように、昔はこれも、平成28年の最高裁判例の前は、社長が1億円持ってた、遺言書がない。奥さん、法定相続分、2分の1。われわれ、奥さんの代理人になって銀行に5000万ください、法定相続分があんだから。くれない？　訴訟起こしますよっつって、無理やり5000万下ろしてもらったんだけど、もうそれができなくなっちゃいました。
　だから、みんな、いわゆる遺産分割協議をするか、相続人代表の届出をするか。相続人代表の届出っていうのは、例えば、奥さんが全部下ろしていいですよっていう同意書なんですね。それがないと下ろせなくなっちゃう。そうすると、いや、そんなこと言ったって亡くなった亭主、社長の葬儀出さなきゃいけない。盛大にやるから500万かかるとか、または当面の生活費いるっていう話になると、先ほど言ったように、一銀行当たり、奥さん、例えば、法定相続分1分の2持ってても150万しか下ろせなくて。ぜいたくな奥様だと150万じゃ足りませんね。葬式にも足りませんよねということで困っちゃう。もちろん、先ほど言ったように、長男長女、全員が仲良くやってくれりゃいいんですけどね。なかなかそういう家庭ばっかりじゃない。
　じゃあ、例えば、この前、そんなこといって一銀行150万じゃ、三つの銀行があると450万は下ろせるんですけど、足りないから何とかしたい。子どもたちがけんかしてて、遺産分割の調停やって2年たってて、まだ決まらないなんて話がありまして。どうしようか。そうすると、仮分割の仮処分っつって裁判やるんですよ。こういうわけで奥様にとっては、私は亭主が残した1億円のうち、生前贈与もないから5000万の法定相続分は取れるんですっつって仮処分の裁判やって、裁判所の決定もらって下ろさせてもらうっていうこともあんですけど、なかなか大変なんですね。
　ところが、先ほど言ったように、遺言書書いといて、法定相続分でもいいと。うちの女房には俺の預金の半分やろうっつったら、私の預貯金のうち、2分の1を妻に相続させるって書いといてくれりゃ、それ持ってって5000万ちょうだいねと言えるんですね。そういうことで、先ほど言ったように、相続分を変更する。例えば、長男にいっぱいやりたいとかいう話じゃないときも、当面の生活費を仲が悪い相続人になる可能性があるんだったら書いといてくれという話を頭の中に、どっかに入れといといておくと、いわゆるいざというときに困らない。後で、お父さん、何もやってくんなかったわねなんて言われないで済みます。
　あと、先ほど言ったように、4時間話すといろんなこと話せるんですけど、30分なんでね。ちょっと教養がてら。遺言書は自分でも書けるって言いましたよね。自分で遺言書の全文書いて、随分前に目録だけはタイプしていいって話になったけど。遺言書、自分で書く。自筆証書といいます。自筆証書の問題は、自分で書いて残しとくから、遺族がどこにあるか分かんない。ある事件なんて、布団の間から後で遺言書が出てきたなんていうのがありましたけど。
　自筆証書については実は2020年から、自筆証書を国が預かる、法務局で預かるという制度ができました。それで、法務局はご主人が亡くなっちゃうと、奥さんとか子ども、相続人の届出がされてると、亡くなったお父さんの遺言書預かってるよっていう法務局から通知が出るようになってます。ただ、われわれ弁護士はほとんど依頼者に勧めてません。先ほど言ったように、遺言書書き間違えると、もしくは不備があると、後で困っちゃうんですね。だから、遺言書の内容は全部弁護士に書かしてくれっていうことがあるんで、自筆証書の保管制度っていうんですけど、あんまりお勧めしてません。皆さん、大体お金があるんだから、弁護士費用払って遺言書作ってくれってね。弁護士費用と公証役場の費用かかりますけど、先ほど言ったように、そんなにあれでもないです。
　あと、皆さんが、先ほど言ったように、いわゆる相続の問題で大事なのは、特にここにいる方は事業承継税制。事業承継税制ってのは非常に面倒くさいんですよ。計画書作って、従業員の雇用を守ってから、社会的にうちの会社を存続させてることの努力をするから、その代わり株の相続するときに税金かけないでねっていうような形でやりますので。もし、この中で税務関係の先生がいたら、ぜひ事業承継の勉強会を、1回、開いていただければいいんじゃないかなと思います。
　そんなとこで、もうすぐ1時半になっちゃいそうなんで、あんまり長くやってると怒られますんで、この辺でお開きにしたいと思います。どうも、ご清聴ありがとうございました。

点鍾	：髙橋会長
ソング	：それでこそロータリー
司会	：小林SAA
お客様	：国際ロータリー第2590地区横浜山手ロータリークラブ　中込清美様　平賀泉様